市場に出回っているわかめのうち、国産のものは20%。そのうちの95%は養殖ものだそうです。そうなると、国産天然わかめは全体の1%。大変貴重です。
海に囲まれた日本。海産資源が非常に豊富なため、これまでは見向きもされませんでしたが、実は、島根産、とりわけ隠岐諸島は、驚くほど天然わかめが豊富に生えています。
ということで、国産の天然わかめを求めて鳥取市境港から高速ジェット船で1時間半ほど、隠岐諸島 隠岐の島町を訪ねました。
前日は天気が荒れていたのですが、この日は海も穏やか。西郷港に到着後、車で島の西部へ向かいました。
わかめ漁が行われている港へ到着。手前に見えるのはわかめ…では無さそうですが、とても透明度の高い澄んだ海です。ここから少し船で出たところでわかめが採れます。岸に戻ってきた船には、隠岐の海のような、美しく深く透き通ったわかめがたっぷり。
「採れたて、食べてみますか」ということで、バイヤーもがぶり。葉の部分はすこしエグみがありますが、めかぶはそのままでも美味しい!
他と比べてめかぶが大きいようで、地元の方も「立派なめかぶだねぇ」と驚かれていました。
うーん、この立派なわかめをどうやって収穫しているのか…わかめ漁をもっと近くで見たい!とお願いして、別の漁師さんの船へ乗せていただけることになりました。
しばらく揺られて漁場へ到着。
「あっ!見えますよ!」
間近に見えるわかめにバイヤーも少し興奮気味。
収穫は先がフックのように曲がった棒を海中に差し込み、わかめをひとつひとつ丁寧に刈り取っていきます。
ざばり。と揚がったわかめは透き通ってとても立派。次はこちらを塩蔵(塩漬け)加工します。
わかめはすぐに加工場へ運ばれ、「わかめ」と「めかぶ」に分けられてからボイルします。釜で茹で上がったわかめは、さらに透明感のある新緑のような萌黄色に。このわかめを、これでもか!と大量の塩が入った塩水で塩蔵します。塩蔵することで新鮮なまま保存できるようになります。
隠岐の美しい海の中で自然に育ち、漁師さんたちの手摘みで収穫された天然わかめ。島根の自然の恵みを感じることができます。
この島根の天然わかめを手軽においしく召し上がっていただくために、スープに仕上げました。天然わかめを中心に、食感の良い茎わかめ、がごめ昆布のとろみ、昆布の甘み…それぞれの海藻をバランスよく合わせました。そしてすべてをまとめてくれるのは、久世福商店自慢の万能だし。海のおいしさをまるごと味わっていただけます。